コラム#132マーケティング

美味しいのに、なんで潰れるんだろう。

美味しいのに、なんで潰れるんだろう。

どーも!とーるです!

「あそこのラーメン、めちゃくちゃ美味しかったのに、閉店してた」

こういうこと、ありませんか。

味はいい。評判もいい。なのに、続かない。

逆に、「まあ普通においしいよね」くらいの店が、何十年も続いていたりします。

美味しい店ほど潰れる説。
ちょっと信じかけてしまいます。

この差は、どこから来るのか。
今回は、2つの言葉で整理してみます。

KSFとKBF——「続く理由」と「選ばれる理由」は別もの

以前のコラム(#90)で、KSFという言葉を紹介しました。
成果にいちばん影響する要因のことです。

今回は、そこにもうひとつ、KBFという言葉を並べます。

  • KSF(Key Success Factor) → 事業が勝つための要因
  • KBF(Key Buying Factor) → お客さんが選ぶときの理由

どちらも「K」で始まって、どちらも横文字。
正直、覚える気が失せますよね。

要するに、
KSFは「お店側の事情」、KBFは「お客さん側の事情」です。

見ている人が、まったく違うんです。

お客さんが見ているもの(KBF)

ラーメン屋で考えてみます。

お客さんが店を選ぶとき、頭の中で比べているのは、たぶんこのあたりです。

  • 味が好みかどうか
  • 値段が手頃かどうか
  • 待ち時間が短いかどうか
  • お店がきれいかどうか
  • SNSで見かけたかどうか

これがKBFです。
お客さんが意識して比べているものです。

お店が続くために必要なもの(KSF)

一方で、お店が続くために必要なのは、こういうものです。

  • 回転率(席数×回転数で、売上の上限が決まる)
  • 原価の管理
  • 味の安定(誰が作っても同じ味になるか)
  • 立地
  • スタッフが育つ仕組み

これがKSFです。

見てのとおり、ほとんどがお客さんからは見えません。

「この店、原価管理しっかりしてるな〜」と思いながらラーメンをすする人は、たぶんいません。
いたら、ちょっと怖いです。

いちばん大事なのは、2つが「一致しない」こと

お客さんが「選ぶ」理由と、お店が「続く」理由
お客さんが「選ぶ」理由と、お店が「続く」理由

ここが今回の本題です。

KSFとKBFは、一致しないことのほうが多いんです。

お客さんは「味」で選びます(KBF)。でも、お店が続くかどうかを決めているのは、「回転率」や「原価」(KSF)だったりする。

だから、味がいいだけでは、続かない。

どれだけ美味しくても、1杯に40分かかる店は、席が回りません。
原価をかけすぎれば、売れるほど苦しくなります。

味が普通でも続く店は、たいてい、こっち(KSF)がしっかりしています。

冒頭の「美味しかったのに閉店してた」は、
KBFは満たしていたのに、KSFが整っていなかった、ということなんですよね。

SNSビジネスに置き換えると

これ、ラーメン屋だけの話ではありません。

SNSで発信しながら商品を売っている人に置き換えると、こうなります。

お客さんが選ぶ理由(KBF)

  • 話がわかりやすい
  • 人柄が好き
  • 実績がある
  • 値段に納得できる
  • 評判がいい

事業が続く理由(KSF)

  • 受講生が続けてくれるか(継続率)
  • 紹介が生まれる仕組みがあるか
  • 教えた内容を、受講生が再現できるか
  • 収益の構造が、無理なく回っているか

よく見かけるのが、
「発信は人気なのに、毎月ずっと集客に追われている」という状態です。

これは、KBFは機能しているのに、KSFが整っていないケースです。
選ばれてはいる。でも、続く仕組みがない。

まさに、美味しいのに潰れるラーメン屋と同じ形です。

片方だけでは、どちらも足りない

逆のパターンもあります。

継続率や仕組みばかり磨いて、
お客さんが何で選んでいるのか(KBF)を見ていない。

すると今度は、そもそも選ばれません。

  • KBFだけ整える → 選ばれるけど、続かない
  • KSFだけ整える → 続く形はあるけど、選ばれない

両方そろって、はじめて「売れ続ける」になります。

自分のビジネスで、2つを分けて書き出してみる

やることはシンプルです。
紙を1枚用意して、真ん中に線を引いてください。

左に「お客さんは、なぜ自分を選んでくれているのか」(KBF)。
右に「自分の事業が続いているのは、何がうまくいっているからか」(KSF)。

書いてみると、たいていどちらかが薄いです。

「良いものを作っているのに売れない」なら、左(KBF)を見直す。
「売れているのに苦しい・続かない」なら、右(KSF)を見直す。

どっちが薄いかが分かるだけで、次にやることがかなり絞れます。

僕が気をつけていること

正直に言うと、発信をしていると、つい左側(KBF)ばかり気になります。

反応がいい投稿。伸びた投稿。褒めてもらえた言葉。

目に見えるので、どうしてもそっちを追いかけたくなるんですよね。

でも、事業として続けられるかどうかは、だいたい右側(KSF)で決まっています。

なので僕は、投稿が伸びたことを喜ぶのと同じくらい、
「続けてくれている人がいるか」を見るようにしています。

美味しいラーメンを出し続けるためにも、
まずは、店が潰れないこと。

あなたのビジネスの「味」と「回転率」は、それぞれ何でしょうか。

とーる|猫好きの行動経済アナリスト

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