コラム#107マーケティング

差別化したいのに、みんなと同じ方向に走っていませんか?

差別化したいのに、みんなと同じ方向に走っていませんか?

どーも、とーるです。
SNSを見ていると、毎日のように聞く言葉があります。
「差別化しましょう。」

差別化が大事。
他の人と違うことをしましょう。
選ばれる理由を作りましょう。
うん。

その通りです。
僕もそう思います。
ただ、ちょっと不思議なんですよね。
差別化しようと言いながら、

「今はこの型が伸びます!」
と言われたら、みんなその型を使う。
「このリール構成が正解です!」
と言われたら、みんな同じ構成になる。

「このプロフィールが売れます!」
と言われたら、名前、肩書き、実績、CTAまでだいたい同じになる。
「今はこういう世界観がウケます!」

と言われたら、みんな同じような色になる。
差別化したいはずなのに、

自分から何百人、何千人いる集団の中へ走っていってるんです。

右を見たら、みんな右を向いている。
そして、
「なるほど。今は右を向くのが正解なんだ。」

と自分も右を向く。
いや、
差別化どこ行ったん(笑)

人間は、そもそも「みんなと同じ」が好きです

これは別に、その人の意志が弱いとかではありません。
人間って、そもそも周りに合わせる生き物です。

みんなが右を向いていたら、
「何か理由があるんだろうな。」
と思う。
行列ができている店を見ると、

「きっと美味しいんだろう」
と思う。
レビューが1000件ある商品と、レビュー2件の商品なら、

なんとなく1000件ある方を選びたくなる。
SNSでみんなが同じことを始めたら、
「今はこれをやるべきなんだ」

と思う。
人は集団から外れることを、思っている以上に嫌います。
だから、

「みんなやっていますよ」
という言葉は強いんです。
安心するから。
でも、

安心することと、目立つことはだいたい逆方向です。

ここが面白いところなんです。

就活セミナーで全員が「正解」を覚えたらどうなるか

例えば、大学生100人が就活をするとします。
その100人全員が、同じ面接セミナーに参加したとしましょう。

そこで、
「志望動機を聞かれたら、この順番で答えましょう」
「長所を聞かれたら、この型です」

「短所は、こう言い換えると印象がいいです」
「学生時代に頑張ったことは、課題→工夫→成果で話しましょう」

と教わる。
めちゃくちゃ勉強になります。
実際、何も知らずに行くよりはいい。
ただ問題は、

100人全員が同じことを学んだ場合です。
面接官からするとどうなるでしょう。
1人目。

「私の強みは、周囲を巻き込みながら課題を解決できる点です。」
なるほど。
2人目。

「私の強みは、周囲を巻き込みながら……」
3人目。
「私の強みは……」

もうええって(笑)
受け答えは全員きれい。
言葉遣いもきれい。
姿勢もきれい。

答え方もきれい。
結果、
違いがなくなります。
では、面接官は何で判断するのか。

学歴。
資格。
経歴。
見た目の印象。

声。
話し方。
元々持っている経験。
つまり、

型によって全員が同じ場所まで底上げされた結果、最後は元々のスペック勝負になるんです。

これ、SNSでも同じことが起きます。

全員が右手を上げたら、何で差がつくのか

ちょっと想像してください。
1000人が体育館に並んでいます。
そして、
全員が右手を上げています。

さて、
誰が目立つでしょう。
右手の上げ方で差をつけますか?
「僕は20センチ高く上げます!」

「私は肘を少し曲げます!」
いや、たぶん分かりません(笑)
そうなると、
目立つのは、

背が高い人。
服装が派手な人。
顔が整っている人。
髪型が奇抜な人。

つまり、
右手を上げるという行動で差がつかないので、それ以外のポテンシャルで差がつく。

Instagramも同じです。
みんなが同じ投稿構成。
みんなが同じリール。
みんなが同じ言い回し。

みんなが同じ導線。
みんなが同じデザイン。
となったら、
最終的に差がつくのは、

画質。
編集技術。
デザイン力。
トーク力。

容姿。
撮影環境。
フォロワー数。
すでに持っている実績。

つまり、
どんどんスキルとポテンシャル勝負になっていきます。
初心者ほど不利になるんです。

これ、かなり皮肉じゃないですか。
初心者だから、
「成功者と同じことをしよう」
と思って型を真似る。

でも全員が同じ型を使うことで、
初心者ほど勝てない競争に自分から入っていく。

じゃあ、一人だけ左手を上げていたら?

さっきの体育館で、
999人が右手を上げています。
でも、
一人だけ左手を上げている。

どうでしょう。
たぶん最初に見ます。
上手とか下手とか以前に、

違うから目に入る。

これが差別化の一番単純な構造です。
別に、
奇抜なことをしろという話ではありません。

みんな黒い服だから、蛍光ピンクを着ろという話でもない。
逆張りすればいいわけでもありません。
大事なのは、

「みんながやっているから」という理由だけで、右手を上げないこと。
なぜ右手を上げるのか。
誰に見てほしいのか。

その人は本当に右手を上げている人を探しているのか。
左手を上げた方が伝わる可能性はないのか。

そこを自分で考えることです。

差別化って「変なことをする」ことではありません

ここを勘違いすると、
今度は逆方向へ行きます。
「じゃあ誰もやっていないことをやればいいんですね!」

となる。
いや、
誰もやっていない理由も考えてください(笑)

山奥でタピオカ屋を開けば競合はいません。
でも客もいないかもしれません。
差別化とは、

誰とも違うことをすることではありません。
「同じ市場の中で、違う選ばれ方を作ること」

だと僕は考えています。
だから、
競合を無視するわけでもない。
型を全部捨てるわけでもない。

基本を知らなくていいわけでもない。
むしろ基本を知った上で、
「ここはみんな同じだな」
「だったら僕はここを変えよう」

と考える。
型を使うのと、
型に埋もれるのは別なんです。

ゴールドラッシュでも、みんな金を掘りに行った

有名なゴールドラッシュの話があります。
「金が採れるぞ!」
となったら、

当然みんな金を掘りに行きます。
一攫千金。
夢があります。
だから大勢が同じ場所へ集まる。

でも、人が増えれば増えるほど、
当然競争も激しくなります。
掘りやすい場所は先に掘られる。
土地の取り合いになる。

道具も必要になる。
食事も必要になる。
服も必要になる。
宿泊場所も必要になる。

ここで面白いのが、
金そのものではなく、“金を掘る人たち”を相手に商売する人が出てくることです。

つるはしを売る。
シャベルを売る。
作業着を売る。
食事を提供する。

宿を提供する。
みんなが、
「金を掘れ!」
と右を向いているとき、

「じゃあ僕は、金を掘る人に必要なものを売ろう」
と別の方向を見る。
これもポジショニングですよね。

金鉱そのものを知らなくていいわけではない。
同じゴールドラッシュという市場にはいる。

でも、

戦う場所が違う。

ここが大事なんです。

SNSでも「金を掘る人」になりすぎている

今のSNSも似ています。
「リールが伸びる!」
となれば、
みんなリールを作る。

「AI副業!」
となれば、
みんなAIについて発信する。
「Kindleがいい!」

となれば、
みんなKindleを始める。
「コミュニティ!」
となれば、

みんなコミュニティを作る。
「診断がいい!」
となれば、
みんな診断を作る。

そしてしばらくすると、
「もうレッドオーシャンです」
と言う。
いや、

みんなで飛び込んだんです(笑)
赤くしたの自分たちです。
新しい市場が出たときに、
「自分も同じことをする」

しか選択肢がないと、
毎回この繰り返しになります。
でも、
少しチャンクを上げて考えれば、

別の景色が見えます。
「なぜリールが流行しているんだろう」
「なぜ今、診断が求められるんだろう」

「なぜコミュニティ化しているんだろう」
「そこで困る人は誰なんだろう」
「その次に必要になるものは何だろう」

そう考えると、
みんなと同じ金鉱へ走らなくても、
別のポジションが見えてくるんです。

「みんなやっている」は、理由ではない

僕が相談を受けていて、
意外と多い答えがあります。
「なんでこれを始めたんですか?」
と聞くと、

「最近みんなやっているので。」
「なぜこの商品構成なんですか?」
「この形が流行しているので。」

「なぜリールを毎日投稿しているんですか?」
「伸びるって聞いたので。」
悪いわけではありません。

でも、
その理由だけなら、
同じことを考えている人が1000人います。

つまり、
その時点で差別化とは逆方向へ進んでいる。
流行を知ることは大切です。

競合を見ることも大切です。
型を学ぶことも大切です。
ただ、

「みんながやっているから」は、始める理由ではなく、むしろ一度立ち止まる理由です。

みんなが右を向いている。
じゃあ、
なぜ右を向いているんだろう。

本当に僕も右を見る必要があるんだろうか。
僕のお客さんは、右側にいるんだろうか。

ここまで考えて、初めてマーケティングになると思っています。

差別化するなら「何をするか」より「どこで戦うか」

差別化というと、
プロフィールの言葉を変える。
投稿デザインを変える。
肩書きを変える。

オリジナルメソッドに名前をつける。
そんなところから始めがちです。
もちろん、それも必要になることはあります。

でも、
もっと前に考えることがあります。

そもそも、どこで戦うのか。

全員が同じ型を使う場所で、
「僕の方が上手です」
で勝つのか。
少し違う市場を見るのか。

同じ市場でも違う悩みを見るのか。
違うタイミングで接触するのか。
違う価格帯から入るのか。
違う届け方をするのか。

差別化って、
飾り付けではなく、
ポジショニングの話なんです。

右手を誰より美しく上げる方法を考える前に、
本当に右手を上げる必要があるのか。
一度そこから考えてみてください。

みんなが右手を上げているなら、
左手を上げるだけで見つけてもらえることもあります。
ただし、

「目立ちたいから左手」ではなく、
自分が届けたい相手にとって、左手を上げる意味があるのか。
そこまで考える。

差別化って、
奇抜になることでも、
逆張りすることでも、

誰も知らない最新テクニックを探すことでもありません。
みんなと同じ方向へ走る前に、
一度、自分で方向を決めること。

僕はそこからだと思っています。

とーる|猫好きの行動経済アナリスト

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