コラム#89マーケティング

SNSマーケに「正解」はない。あるのは「あなたがどっちのタイプか」だけ

どーもとーるです。

SNSマーケティングを学んでいて、
こんな経験はありませんか。

ある人の教材では、こう教わる。
「あなた自身を出しなさい。ストーリーを語りなさい」

でも別の人の教材では、真逆を教わる。
「自分の話なんていらない。商品とオファーを磨け」

……どっちやねん、と。

学べば学ぶほど、ノウハウが矛盾していく。
情報を集めるほど、何を信じればいいのか分からなくなる。

今日は、この「矛盾」の正体について話します。

先に結論を言いますね。

ノウハウが矛盾して見えるのは、源流が2つあるから。
そして、その2つは、どちらも正しい。

ただ「向いている人」が違うだけなんです。

SNSマーケのノウハウには「2つの源流」がある

世界中で語られるSNS・オンラインマーケのノウハウ。

たどっていくと、ほぼ2人の人物にぶつかります。

Russell Brunson(ラッセル・ブランソン)
Alex Hormozi(アレックス・ホルモジ)

この2人です。

日本ではあまり名前を聞かないかもしれません。

でも、あなたが読んできた集客やセールスの教材は、
知らないうちに、このどちらかの「子孫」であることがほとんど。

そして厄介なのが——
この2人の思想が、正反対だということ。

だから、片方の子孫の教材と、もう片方の子孫の教材を同時に読むと、
「言っていることが真逆」になる。

あなたが悪いのでも、教材が悪いのでもありません。

源流が違うだけなんです。

ひとつずつ見ていきましょう。

流派①:Russell Brunson ——「あなた自身」を売る思想

Russell Brunson は、世界最大のセールスファネルツール「ClickFunnels」の創業者。

『Expert Secrets』『DotCom Secrets』といった著書は、
コーチ・コンサル・専門家ビジネスの“世界的な教科書”です。

彼の思想を一言でいうと、こう。

「売る主体は、あなた自身だ」

キーワードは「Attractive Character(魅力的なキャラクター)」。

あなた自身がキャラクターになり、
ファンが応援したくなる存在になる。

商品は、そのキャラクターの延長線上に置かれます。

だから Brunson 派の発信は、ストーリーと人格が中心。

過去にどんな失敗をして、どんな気づきを得たか。
その物語を語ることで、読者の信念そのものを変えていく。

「説得して買わせる」のではなく、
「読者が自分でそう思った」状態を作るんです。

接点は、深く・少人数。

少ない人数に深く刺さって、高単価で長く付き合う。
これが Brunson の世界です。

流派②:Alex Hormozi ——「オファー」を売る思想

もう一方の Alex Hormozi は、フィットネス事業を売却したあと、
複数の事業を運営・投資する現役プレイヤー。

『$100M Offers』『$100M Leads』という著書で知られています。

彼の思想は、Brunson とまるで逆。

「売る主体は、オファー(提案)だ。あなたが誰かは二の次」

核にあるのは「Value Equation(価値方程式)」という考え方。

ざっくり言うと、価値とは——

「理想の結果 × 達成の確からしさ」を「時間 × 努力」で割ったもの。

この数式どおりにオファーを設計すれば、
誰が運営しても売れる状態が作れる、と考えます。

Hormozi は、こう言い切ります。

「自分にこだわるのをやめろ。オファーに集中しろ」

人格や物語ではなく、商品設計・仕組み・数字で勝負する。

広く・大量に届けて、システムで売る。
これが Hormozi の世界です。

で、どっちが正しいの? ——どっちも正しい。タイプがあるだけ

ここまで読んで、こう思ったはず。

「で、結局どっちが正解なの?」

答えは——どっちも正しい

混乱の原因は、実はここにあります。

Brunson も Hormozi も、自分の本のなかでは
「これが唯一の正解」であるかのように書くんです。

Brunson は「あなたは魅力的なキャラクターになるべきだ」と書く。
Hormozi は「自分にこだわるな」と書く。

だから——

Brunson の本だけ読んだ人は「全員ストーリーを語るべきだ」と思い込む。
Hormozi の本だけ読んだ人は「全員オファーを磨くべきだ」と思い込む。

でも、2人が立っている前提が違うんです。

正解か不正解か、ではありません。
向き・不向きの問題。

Brunson のやり方が輝く人もいれば、
Hormozi のやり方が輝く人もいる。

逆のタイプにやらせると、潰れます。

つまり、本当に問うべきは「どっちが正しいか?」ではなく、

「自分はどっちのタイプか?」

なんです。

あなたはどっちのタイプか ——存在する2つのタイプ

人を、ざっくり2タイプに分けてみます。

タイプA:「話すと伝わる」人

  • 専門性は深い
  • でも、SNSの“見た目”で勝負するのは苦手
  • 1対1や少人数で話すと、凄さが一気に伝わる
  • 個別相談から成約することが多い

タイプB:「見せて惹きつける」人

  • SNSの見た目・親しみやすさで、広く集められる
  • フォロワーも自然に増える
  • ただ、1対1の深い専門トークは得意じゃない
  • コンテンツの蓄積で売れていく

どちらが優れている、という話ではありません。

タイプAがタイプBに憧れる必要もないし、その逆もない。

どちらにも、それぞれの売れ方があるだけ。

そして——
タイプAは Brunson 派、タイプBは Hormozi 派に、きれいに対応します。

タイプによって「特徴」がこう違う

2つのタイプの特徴を、並べてみます。

  • 集客:A=苦手(入口が弱い)/ B=得意(自然に増える)
  • 価値の伝わり方:A=直接話すと最強 / B=蓄積でじわじわ
  • 成約のしかた:A=1対1の会話で決まる / B=仕組みで自然に売れる
  • 弱点:A=「見つけてもらう」でつまずく / B=「買ってもらう」でつまずく

面白いのは——
両者の得意と弱点が、ちょうど裏返しになっていること。

タイプAは、価値を伝えるのが得意で、集客が弱い。
タイプBは、集客が得意で、成約(価値を伝える)が弱い。

だから、打つべき手も正反対になります。

そして「戦略」も正反対になる

タイプが分かれば、取るべき戦略は自動的に決まります。

ここが、いちばん大事なところ。

タイプA(Brunson派)の戦略:とにかく「会う機会」を作る

このタイプは、会って話せば伝わる。

だから最優先は「会う・話す機会をどう作るか」。

  • 個別ZOOM、お茶会、少人数イベント
  • 高単価のサービスで、少人数を深く満足させる
  • 口コミと紹介で、じわじわ広げる

「1人に深く」が、いちばん効率がいい。

タイプB(Hormozi派)の戦略:「仕組み」で売る

このタイプは、集客はもうできている。

だから勝負どころは「集めた人を、どこに流すか」の設計。

  • 商品ラインナップとファネル(購入までの動線)が肝
  • 個別営業に頼らず、仕組みで売る
  • サブスクやパッケージ商品と相性がいい

「1万人にちょっとずつ」が、いちばん効率がいい。

同じ「SNSで売る」でも、向かう方向は真逆。

タイプAに「フォロワーを増やして仕組みで売ろう」は間違い。
タイプBに「少人数に個別営業しよう」も間違いです。

行動経済学から一言 ——「正解探し」をやめる

僕は行動経済アナリストなので、最後にひとつだけ。

人は、「唯一の正解」を求めたくなる生き物です。

選択肢が多いほど不安になるので、
「これさえやればいい」という一本道を欲しがる。

SNSマーケのノウハウ迷子は、ほぼこれが原因。

でも、SNSマーケに「誰にでも当てはまる正解」はありません。

あるのは、「あなたに合うやり方」と「合わないやり方」だけ。

だから、問いを変えてください。

「どっちが正しいんだろう?」

「自分はどっちのタイプだろう?」

この一語を変えるだけで、
矛盾して見えていたノウハウが、すっと整理されます。

「あ、これは Brunson 派の話。タイプBの自分には、半分だけ使えばいいな」

——そんなふうに、取捨選択ができるようになる。

ノウハウに振り回されるのをやめる第一歩。

それは、新しいノウハウを足すことではなく、自分の型を知ることです。

僕の場合

ちなみに僕自身は、タイプA——Brunson 派です。

フォロワー数は、正直多くありません。

でも、「個別で話すと伝わるタイプ」だという自覚があります。

だから僕は、母数(フォロワー数)を追わない。
刺さる人にだけ、深く刺さる設計をしています。

少人数と濃く付き合うほうが、僕にはずっと自然なんです。

これは「僕が正しい」という話ではありません。

もし僕がタイプBなら、まったく逆の設計をしているはずです。

あなたは、どっちのタイプですか?

それが分かった瞬間から、
SNSマーケは、ぐっとシンプルになります。

P.S.
「自分はどっちのタイプか」の見極め方と、タイプ別の発信設計は、メルマガ『3-2-1ラボ』でさらに深掘りしています。週1回、読むだけで視点が変わる内容をお届け中です。

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とーる|行動経済アナリスト