コラム#96マーケティング

「やりたいことで生きていく」の前に、やるべきことをやっていない人の話

「やりたいことで生きていく」の前に、やるべきことをやっていない人の話

どーもとーるです!

SNS起業界隈で、よく聞く言葉があります。

「やりたいことで生きていきたい」

いい言葉です。否定しません。

でも今日は、その言葉の裏側にある「やばい構造」を解体します。

まず、これを見てほしい

以下の行動、心当たりはないですか。

「コンテンツをほぼ書いていないのに、ロゴのデザインにこだわっている」

ロゴは大事です。でも、ロゴがゼロでも売れます。
コンテンツがゼロでは、売れません。

それでも手が動くのは、ロゴ作りが「今すぐ楽しいから」なんです。

「メルマガ登録者が一人もいないのに、メルマガのデザインを整えている」

読者がいない状態でデザインを整えても、意味がないです。

でも、そっちに手が動きます。
なぜか。デザイン作業は達成感がある。読者を集める作業は、すぐに結果が出ないからです。

「商品がまだ固まっていないのに、ホームページを作っている」

「先に器を作っておけば」と思う気持ちはわかります。
でも、器を作っても、中身がなければ誰も買いません。

それでも器の方に時間を使う。
ホームページを作っている間は「ビジネスを前進させている感」があるからです。

「コーチングをやめて転売、転売をやめてSNS代行、それもやめて今度はコンサル」

これが「界隈渡り」です。

新しいことを始めるたびに「今度こそ自分に合っている」と感じます。
でも半年後、また同じ壁にぶつかります。

どれも、「やりたいことをやっている」ように見えます。

でも実際は、「やるべきことを回避している」だけなんです。

行動経済学でいう「現在バイアス」

これはサボりでも、意志が弱いわけでもないです。

行動経済学に「現在バイアス(Present Bias)」という概念があります。

人は「今すぐ得られる小さな満足」を、「将来の大きな報酬」より優先してしまう生き物なんです。

ロゴ作りは、今すぐ楽しい。
コンテンツを書き続けることは、今すぐは楽しくない。

メルマガデザインは、今すぐ達成感がある。
読者を地道に集めることは、今すぐ達成感がない。

この「今すぐ楽しいかどうか」という基準で行動を選ぶと、ビジネスの土台を作る作業が、全部後回しになります。

「やりたいことをやっている」という感覚の裏に、「やるべきことをやっていない」という現実が、積み上がっていきます。

「やるべきこと」が嫌に感じる本当の理由

よく、こういうことを言う人がいます。

「やりたいことと、やるべきことが一致していない。だから、やるべきことがしんどい」

半分だけ正しいです。
でも、もう半分が抜けています。

やるべきことが「嫌なこと」に感じる最大の理由は、方向が決まっていないからなんです。

前回のKSFコラム(#90)で書いたように、「ビジネスのボトルネック(一番詰まっている場所)」が特定できていないと、目の前のタスクが「なんのためにやるのか」わからなくなります。

なんのためにやるのかわからないタスクは、全部「やるべきこと(義務)」に見えます。

義務は嫌いだから、回避する。
回避するために、「やりたいこと」を探す旅に出る。

でも、KSFが決まっていて、「このコンテンツを書けばLINE登録が増えて、それが売上に直結する」という道筋が見えていれば、そのコンテンツを書くことは、義務じゃなくなります。

目的地に向かうための、次のステップになるんです。

「やるべきことが嫌」は、やるべきことの問題ではなく、設計の問題です。

「やりたいこと」をやり切るには、順番がある

ここが、今日の核心です。

「やりたいことで生きていく」ことを否定しているわけじゃないです。
それは、最高のゴールです。

ただし、順番があります

やるべきことを積み上げた先に、初めて「やりたいことだけを選べる自由」が生まれます。

Dan Koeを見てみましょう。

彼が今やっているのは、モノクロのシンプルな投稿で思考を発信して、世界中の人に読まれること。
好きなことを、好きなタイミングで発信しています。

でも彼は、最初から「やりたいことだけ」をやっていたわけじゃないです。

フリーランスとしてクライアントワークをこなし、コンテンツを地道に積み上げ、読者をゆっくり育てた。
その土台があるから、今があります。

「やりたいことだけで生きている人」は、例外なく、先にやるべきことをやり切っています。

「やりたいこと」を先に掲げる人が陥るパターン

逆に、「やりたいことだけを優先する」で動いた場合、何が起きるか。

最初は楽しいです。
やりたいことをやっているから、モチベーションも高い。

でも2〜3ヶ月後、「楽しいのに売れない」という現実にぶつかります。

そこで「もっと自分らしい方向性を見つけなきゃ」と思い始める。
または「もっとやりたいことに近い別のビジネスがあるんじゃないか」と思い始める。

これが「界隈渡り」の始まりです。

やりたいことを探し続けて、積み上がるものが何もないまま、時間だけが経ちます。

やりたいことを探す旅は、終わりません。
なぜなら、ビジネスには必ず、しんどい時期があるからです。

しんどくなるたびに「もっとやりたいことがあるはず」と思って、次を探す。

でも本物の「やりたいこと」は、しんどくても続けられるものです。

成果が出なくても、誰も見ていなくても、やるもの。
それが本物かどうかは、積み上げる過程でしかわかりません。

じゃあ、どうするか

やることは、シンプルです。

① まずKSFを決めて、やるべきことを設計する

KSF(ビジネスのボトルネック)が決まれば、「やるべきこと」が明確になります。
明確になれば、義務感ではなく「目的地への道」として動けます。

② 次に「やりたいこと」を、KSFの中に組み込む

完全に「やりたいこと」を封印する必要はないです。
KSFに沿いながら、自分がやりたい表現方法や伝え方を使う。

「やるべきこと × やりたい表現」で動けるなら、それが一番続きます。

③ 最後に、土台ができてから「やりたいことだけ」に移行する

メルマガ読者が育ち、商品が売れ始め、ビジネスの仕組みが回り始めたら、やりたいことへの比重を増やしていく。

この順番で動けば、「やりたいことで生きていく」は、現実になります。

まとめ

「やりたいことで生きていきたい」は、正しいゴールです。

でも「やりたいこと」を先に掲げて、「やるべきこと」を後回しにしている間は、そのゴールは近づきません。

ロゴ、デザイン、ホームページ、企画書。
それが今すぐ楽しいのは、わかります。

でも今すぐ楽しいものは、たいていビジネスのボトルネックじゃないです。

今すぐ楽しくないものに向き合える人が、3年後に「やりたいことだけで生きている」状態に到達します。

順番の話です。
ゴールは同じ。

ただ、順番を間違えると、ずっとスタートラインに立ち続けることになります。

P.S.
「やるべきことの設計」のヒントは、メルマガ『3-2-1ラボ』でも触れています。気が向いたら、覗いてみてください。

▶ メルマガ・無料講座の詳細・ご登録はこちら(3-2-1ラボ)

とーる|猫好きの行動経済アナリスト

Recommended

おすすめコラム

コラム#103

AIに「とーるって知ってる?」と聞いたら、Instagramが出てこなかった。

コラム#89

SNSマーケに「正解」はない。あるのは「あなたがどっちのタイプか」だけ

Illustration
コラム#73

【前編】フォロワーを増やすな。

Illustration
コラム#71

誰もが断念する『動画講座』に、あなたの勝機が眠っている理由

コラム#65

「それってあなたの感想ですよね」