情報過多の時代に、
正しく悩める人だけが結果を出す

どーもとーるです。
突然ですが、こんな経験ありませんか?
夏前に「なんかエアコン臭い、汚いかも」と感じた。
で、スマホを開いて検索した。
「エアコン 汚い 対処法」
検索結果には、プロの業者の記事がずらっと並んでいる。
気づいたらあなたは、クリーニング業者の料金を比べている。
——でも、ここで一度立ち止まってほしいんです。
あなたの本来の目的って、なんでしたっけ?
「エアコンをきれいにしたい」というよりも、
「エアコンの臭いをなんとかしたい」だったはず。
それがいつの間にか、
「エアコンクリーニングをすること」に置き換わっている。
これを行動経済学では、
「目的のすり替わり(Goal Substitution)」と呼びます。
そしてSNS起業家の失敗の多くは、
まさにこれが原因です。
✦
「悩み」の構造が、時代とともに変わってしまった
少し、時代の話をします。
情報も商品も少なかった時代は、
悩みとニーズがダイレクトにつながっていました。
「エアコンが臭い、どうしよう」
解決策の選択肢が少ないから、
自分で考えて動くしかなかった。
ニーズがそのまま「顕在」の状態で残っていた。
でも今は違います。
ネットで検索すれば、
悩みに対する解決策(ウォンツ)が
一瞬で手に入る時代です。
「エアコンが臭い」→「クリーニング業者に頼む」
ここまでは、まだわかる。
問題は、その次の段階です。
その「解決策(ウォンツ)」が
世の中に広まって、多くの人に認知されると——
いつの間にか、ウォンツがニーズに変わってしまう。
「エアコンが臭い」という本来のニーズは潜在化して、
「エアコンクリーニングをしたい」というウォンツが
顕在ニーズとして表に出てくる。
SNSビジネスに置き換えると、こうなります。
「売上が欲しい」(本来のニーズ)
↓
「SNSで集客すればいい」という解決策を知る
↓
「SNSで集客する」という概念が世に浸透する
↓
「売上が欲しいからSNSで集客する」が常識化
↓
気づいたら「SNSで集客する」がニーズに変わっている
本来は手段だったものが、
いつの間にか目的になってしまう。
そして多くのSNS起業家が
「SNSで集客できていない自分」を悩み始める。
でも本当に悩むべきは
「売上が上がっていない」ことだったはずです。
これが、情報過多の時代に起きている
「ニーズとウォンツの逆転」です。
✦
なぜ情報過多の時代に「本当の目的」を見失うのか
原因はシンプルです。
最初に見た解決策が、正しい解決策に見えてしまうから。
エアコンの例なら、本当は:
- フィルター掃除だけで解決できたかもしれない
- 湿度設定が問題だったかもしれない
- そもそも買い替え時だったかもしれない
でも検索して最初に見えたのが「クリーニング業者」だったから、
その選択肢しか見えなくなった。
行動経済学の言葉で言えば、これは
「フレーミング効果」と「利用可能性ヒューリスティック」が
同時に起きている状態です。
難しい話じゃないです。要は——
「最初に見せられた枠組みで考えてしまう」
「目についたものを正しいと思いこむ」
というだけのこと。
で、これがSNS起業家の世界で起きると、どうなると思いますか?
✦
SNS起業家に起きている「目的のすり替わり」の実例
ちょっと具体的な話をします。
以前、コンサルで関わったある方のケースです。
その方は「売上が伸び悩んでいる」という相談で来てくれたのですが、
最初の10分の会話で、ほぼ原因がわかりました。
本来の悩みは「売上が伸び悩んでいる」。
でも話の内容はずっと、
「リールのクオリティを上げるにはどうすれば?」
本人の中では完全に、
「リールを改善すれば売上が上がる」という方程式が出来上がっていた。
だから、リール制作に毎月かなりの時間とお金をかけていた。
でも実際に話を掘り下げてみると、
問題はリールじゃなかった。
その方には既に十分な「温かいフォロワー」がいて、
問題は「商品が明確じゃない」ことだった。
リールをいくら磨いても、
買う理由が見えない商品では売れない。
ここで起きていたのが、まさに目的のすり替わりです。
「売上を上げたい(本来の目的)」が、
「リールを改善すること(手段)」にすり替わっていた。
そしてこれは、珍しいケースじゃありません。
ほぼ全員がやっています。
✦
「正しく悩む」という技術
じゃあどうすればいいか、という話です。
まず、手段から逆算するのをやめることです。
「リールを作るべきか」じゃなくて、
「自分のビジネスの課題はどこにあるか」から先に考える。
- 認知がないのか
- 信頼が築けていないのか
- 商品設計の問題なのか
- 導線が機能していないのか
ここを特定しないまま「リールを作る」をやっても、
全部無駄になります。
そして具体的には、こういう手順を試してみてください。
STEP 1「本当に解決したいことは何か」を先に言語化する
検索する前に、紙かメモアプリに一行書く。
「私が本当に解決したいのは○○だ」と。
これだけで、情報を見る前に自分の「問い」が固定されます。
固定されると、見えてくるものが全然変わります。
STEP 2「手段と目的を分けて書き出す」
今やろうとしていることが「目的」か「手段」かを確認する。
リールを作る → 手段
フォロワーを増やす → 手段
毎日投稿する → 手段
では本当の目的は?
ここを書き出すだけで、自分の思考が整理されます。
STEP 3「別の手段で解決できないか」を問う
その目的を達成するために、他にどんな方法があるか。
リール以外の方法は? フォロワー増加以外の方法は?
これを考えることで、
固定化された選択肢から抜け出せます。
✦
ビジネスの失敗は、「悩み方」から始まっている
ここまで読んでくれた人に、正直に言います。
SNSビジネスで行き詰まっている人の多くは、
戦略が間違っているんじゃなくて、
悩みの設定が間違っています。
正しい問いを立てれば、正しい答えが見える。
間違った問いを立てると、正しい答えを出しても意味がない。
「フォロワーを増やすにはどうすればいいか」という問いを立てている限り、
フォロワーを増やす答えしか出てこない。
「自分のビジネスで、次の1人のお客さんを獲得するには何が必要か」
この問いを立てると、全然違う答えが出てくることが多い。
エアコンの臭いが湿度設定の問題なのに、クリーニングをしても解決しない。
それと同じことが、ビジネスでも起きています。
あなたの本当の目的は何ですか?
その問いを、もう一度ゆっくり考えてみてください。
とーる|行動経済アナリスト
