「会社辞めて起業します」という人に、僕が全力でストップをかける理由
どーも!
とーるです!
起業や副業を考えたとき、女性の方なら一度はこんな「映画のワンシーンのような瞬間」を妄想したことはありませんか?
「月曜日の朝、いつもの窮屈なオフィス。ため息をつきながらパソコンを開くふりをして、そっと上司のデスクに退職届を置く。 『今までお世話になりました。私、自分の人生を歩むことにしました』 と、これ以上ない晴れやかな笑顔でオフィスを去る。 そこからは、誰にも縛られない自由な日々。 背水の陣で自分を追い込み、泥臭く、でも美しく努力を重ねて・・・・ 1年後には、お気に入りのハイブランドの服に身を包み、平日の昼下がりにホテルのラウンジで、最高の一杯を楽しみながら『あの時、決断してよかった』と微笑んでいる」 てな感じですかね。
「もう誰かの顔色をうかがって働くのは嫌」 「自分の感性を形にして、自分らしく輝きたい」と思う女性なら、一度はそんな「ドラマチックな自立」に憧れるもんです。
ですが、その「ドラマチックな退職劇」、実はビジネスの成功率をガクンと下げる「危険な賭け」かもしれません。
今回は、そんなキラキラした妄想の裏側にある、成功者たちがひた隠しにする「臆病な本質」についてお話しします。
起業は「0か100か」の勝負ではない まず、多くの人が陥っている根本的な勘違いを正しましょう。
それは、起業や副業というものを「脱サラしてフルコミットする」か「今のままサラリーマンを続けるか」の2択だと思い込んでいることです。
起業の本質は「トレードオフ(取引)」です 。
今の安定した生活というリソースを差し出して、将来の自由や利益を手に入れる取引です 。
そして、この取引には「0か100か」ではない、豊かなグラデーションが存在します 。
- 週末だけのスモールビジネス
- 平日の夜2時間だけ使う副業
- 本業を続けながらのテストマーケティング 「いきなり辞めて全てを賭ける」というのは、このグラデーションの極端な端っこを選んでいるに過ぎません 。
もちろん、フルコミットすれば成功時の利益は大きいですが、失敗した時のダメージも甚大です 。
特に、「その人のライフステージ」によって取るべきリスクは変わるという点です 。
例えば、48歳で子供が4人いて、今の会社で年収数千万を稼いでいる人が、「夢を追いたいから」と会社を辞めて起業するのは、絶対にオススメしません 。
リスクとリターンが全く釣り合っていないからです 。
逆に、アイデアが溢れていて、今の仕事に未練がない若者なら、もう少しリスクを取ってもいいかもしれない 。
でも、そんな若者であっても、 まずは夜や週末で自分のアイデアを検討するべき 。
今の時代、わざわざ会社を辞めなくても、自分のアイデアが市場に受け入れられるかどうかをテストする環境はいくらでもあります 。
成功者たちの「臆病な」真実 「でも、ビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグは大学を中退して成功したじゃないか!」 そう思いますか?
「成功者はみんな、退路を断って崖から飛び降りたんだ」と。
でも、実はこれ、後付けで作られた「伝説」に過ぎません。
実際の彼らの行動を詳しく見てみると、驚くほど慎重に保険をかけまくっていることが分かります。
●マーク・ザッカーバーグ: Facebookをリリースした後、すぐにハーバードを辞めたわけではありません 。
まずは1年間の「休学」を挟んで、ビジネスの推移を見守りました 。
最悪、ダメでも大学に戻れる道を残していたんです。
●ビル・ゲイツ: Microsoft立ち上げのために退学したことで有名ですが、彼は大学2年生の時にすでにソフトウェア開発を始めており、そこから丸1年間も学業を継続していました 。
●Googleの創業者たち: ラリー・ページとセルゲイ・ブリンに至っては、検索エンジンの基本技術を開発した後も、2年間スタンフォード大学院に在籍し続けていました 。
それどころか、開発が学業の邪魔だと思って、Googleをたった2億円で売却しようとすらしていたんです 。
理由は「大学を辞めるのが不安だったから」です 。
どうですか?
あなたが想像していた「向こう見ずな天才」のイメージとは、だいぶ違いますよね(笑)。
彼らは、「保険をかけながらビジネスを始め、うまくいくことが数字で証明され、もうこれ以上本業と並行するのは物理的に不可能だ」という段階になって初めて、本業(学業)を捨てたんです 。
これを裏付ける面白い研究があります。
5,000人以上の起業家を14年以上にわたって追跡した調査によると、 「本業を続けながら起業した人」は、いきなり会社を辞めて起業した人に比べて、失敗する確率が33%も低かった んです 。
つまり、ビジネスで勝つのは「大胆にリスクを取る人間」ではなく、「リスクを極限まで排除し、最後まで生き残った臆病な人間」だということです 。
ギリギリの状態で始めると「バカ」になる理由 僕は以前のコラムで、「AIは表に出すな」「キラキラした領域に飛び込むな」という話をしました。
それらはすべて、ビジネスを長期的に、健全に育てるための話です。
でも、もしあなたが「背水の陣」で、貯金も底をつきそうな状態でビジネスを始めたらどうなるか。
人間は、生存の危機にさらされると「IQ」が著しく下がります。
これは僕が身をもって体験したことですが、 生活費が尽きそうなギリギリの状態でビジネスをすると、「長期的な思考」が1ミリもできなくなる んです 。
(マジで) ●本来すべきこと: ユーザーとの信頼構築、商品クオリティの向上、SNSアカウントの育成 (これらは全て長期投資です) ●ギリギリの自分がすること: 「今日食べるためのお金」を稼ぐための、強引なセールスや、目先の小銭を拾うような活動 これ、地獄ですよ。
不安でいっぱいになると、人は短絡的な行動に走ります 。
借金をしている人が、さらに割の悪いギャンブルに手を出してしまうのと同じ原理です 。
ビジネスで最もやってはいけないことは、 「信頼を切り売りして、目先の利益を取ること」 です 。
でも、背水の陣を敷いてしまうと、脳がサバイバルモードに入ってしまい、その「やってはいけないこと」を平気でやるようになります 。
結果として、商売は長続きせず、あっという間に死にます 。
最低限の生活費という「保険」は絶対に必要です 。
「深くしゃがむ期間(芽が出るまでの時間)」を耐え抜くための、精神的な余裕。
これがない状態でスタートするのは、最初から沈没が決まっている泥舟に乗るようなもんです。
「背水の陣」の爆発力を正しく使う方法 「でも、とーるさん。退路を断ったからこそ爆発的な力が出る、という話も聞きますよ?」 確かに、その通りです。
自らのキャリアを振り返って「プランB(保険)がなくなった時に、プランA(本業)が爆伸びした」ということもよくありますし、聞きます 。
ただ、ここには 「順序」という非常に重要なポイント が隠されています。
●テスト期間: 本業を持ち、保険がある状態で、自分のアイデアが通用するか徹底的にテストする 。
●確信期間: テストの結果が出て、「これはいける」と確信を持つ 。
●決 断: そのタイミングで本業を辞め、一気にアクセルを踏む 。
この「3ステップ」が最強なんです。
いきなり「3」から始めるから、みんな早期離脱しまうんです。
「行ける」という確信を持った後に退路を断つからこそ、 「あいつらを見返してやる」「絶対に成功させてやる」という強烈なモチベーションが、プラスの方向に働きます 。
不安でガタガタ震えながらやる背水の陣と、確信を持って全力を注ぐ背水の陣。
見た目は同じ「一点集中」でも、その中身は天と地ほどの差があります。
勝てると思った勝負しかしない 世界最高の戦略書と言われ、ビル・ゲイツや孫正義も愛読している『孫子の兵法』。
そこには、「勝てると思った勝負しかするな」という、究極にドライな教えが書かれています 。
実際に僕は
- マイナスやプラスかの2択なら“やらない”。
- ゼロかプラスなら“やる”。
- マイナスかゼロなら“当たり前にやらない”。
実際に、SNS界隈の目がドル箱の方々のような「月商●●万円!」ほどは売上もないですし、そんな“ただ稼いでSNSで自慢合戦に参戦したいだけ”という欲望にユーザーも巻き込みません。
ですが、起業して5年たちます。
SNS歴は4年です。
消えていません。
勝っている人間は、勝負が始まる前から、勝つべくして勝っています 。
それは、「準備が9割」だからです 。
もし今、あなたが会社を辞めて起業しようか悩んでいるなら、自分にこう問いかけてみてください。
「今から挑もうとしている勝負に、果たして勝算(テスト結果)はあるのか?」 「それとも、ただ今の現実から逃げたくて、ギャンブルに打って出ようとしていないか?」 ビジネスは、長く、泥臭いマラソンです。
キラキラした成功者の影には、誰にも見せないほど臆病で、慎重で、保険をかけまくって、リスクを一つずつ潰してきた「リスク排除の達人」としての姿があります。
大胆にリスクを取る人間ではなく、「リスクを排除した人間」が最後に勝つ。
この事実を知った今のあなたは、もう昨日のあなたより確実に「勝ちやすく」なっています。
取らなくていいリスクは、取らなくていいんです。
なんつて
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とーる|行動経済アナリスト
