コラム#116マーケティング

お客さんの「欲しいです!」を、売上予定に入れないでください。

お客さんの「欲しいです!」を、売上予定に入れないでください。

どーも!とーるです!
商品を作る前に、周りの人へ聞くことってありますよね。

「こういう講座があったら、欲しいですか?」
すると、「欲しいです!」
「絶対受けたいです!」
「それ、待ってました!」みたいな、うれしい言葉が返ってくる。

ここまで言われたら、ちょっと期待します。
いや、ちょっとどころではありません。
頭の中では、もう初月の売上が完成しています(笑)

10人に聞いて、8人が「欲しい」と言ってくれた。
価格が3万円なら、24万円。電卓まで叩いた。
あとは販売ページを作るだけ。

ところが、いざ募集を始めてみると。申込み、1件。

あとの7人は、どこへ行ったのでしょう。
たぶん、日本のどこかにはいます(笑)でも、申込みフォームにはいません。

「欲しいです」は、ウソだったのか

こうなると、「あの人たちは社交辞令だったのかな。」
「応援するふりをされただけなのかな。」と思いたくなるかもしれません。

でも、僕はそうとも限らないと思っています。
その場では、本当に欲しいと思っていた。
話を聞いて、魅力も感じていた。
応援したい気持ちもあった。

ただ、

「欲しいと思うこと」と、「実際にお金を払うこと」は、同じ行動ではありません。

ここを一緒にすると、販売前の手応えが、急に売上予測へ変わります。
まだ「いいですね」と言われただけなのに、経理だけが先に喜び始めます(笑)

言葉には、まだ痛みがない

「欲しいです」と答えるだけなら、お金は減りません。
予定も空けなくていい。
家族に相談しなくてもいい。
今やっていることを中断する必要もありません。

でも、実際に買うとなると話が変わります。価格を見る。時間を確認する。
ほかの商品と比べる。
本当に今の自分に必要なのかを考える。
カード番号を入力する。

ここで初めて、相手の中にあった「欲しい」が、現実とぶつかります。

言葉の段階では見えなかった、「今月は出費が多い。」
「勉強する時間がない。」
「似た教材をまだ見終わっていない。」
「欲しいけど、今じゃない。」が出てきます。

つまり、販売前に聞いた「欲しいです」は、商品への好意を測っているだけかもしれません。

購入する覚悟まで測れているとは限らないんです。

人は、未来の自分を少し立派に見積もる

行動経済学や心理学では、人が「こうしたい」と考えていても、実際の行動が一致しないことがあります。一般に、意図と行動のギャップと呼ばれるものです。

たとえば、「来月から運動します。」
「この本、週末に読みます。」
「お気に入りに入れたので、あとで買います。」

どれも、その瞬間はウソではありません。
ただ、来月の自分、週末の自分、あとで見る自分に、少し期待しすぎています。

未来の自分なら、今の自分より時間がある。
未来の自分なら、ちゃんと決断できる。
未来の自分なら、積んである教材も全部終わっている。

未来の自分、なかなかのエリートです(笑)

「欲しいです」と言っている人も同じです。
商品を見た瞬間には、「これを使えば変われそう。」と思っている。

でも、実際に買う場面では、未来の理想より、目の前の負担が強くなります。

だから、言葉と行動にズレが出ます。

アンケートで売上を予測すると、ズレやすい

アンケートを取ることが悪いわけではありません。
むしろ、相手が何に困っているのか、どんな言葉に反応するのかを知るには役立ちます。

ただし、「この商品、欲しいですか?」という質問だけで需要を判断するのは危険です。

なぜなら、相手は商品の説明を聞いた直後だからです。
あなたとの関係もある。
応援したい気持ちもある。
目の前で「いらないです」とは言いづらいこともある。

しかも、まだお金も時間も差し出していません。

これで分かるのは、「説明を聞いたときの印象。」「テーマへの興味。」
「あなたへの好意。」です。

どれも大切です。

でも、売上ではありません。

拍手が大きかったからといって、物販の列ができるとは限らない。
ライブ会場なら、なかなか切ない景色です(笑)

見たいのは、言葉より「小さな行動」

では、何を見ればいいのか。
僕は、相手が次の行動をしたかを見るほうがいいと思っています。

  • 詳細ページを読んだ
  • 価格を確認した
  • 説明会へ申し込んだ
  • 無料教材を受け取った
  • メールを何通か読んだ
  • 期限までに申込みフォームを開いた
  • 実際に決済した

もちろん、無料教材を受け取った人が全員買うわけではありません。
説明会へ来た人が全員申し込むわけでもない。

ただ、「欲しいです」と言っただけの人よりは、一段進んでいます。

ここで大事なのは、いきなり全員を購入者として見ることではありません。

「興味を持った人。」「少し動いた人。」「比較している人。」
「買う準備ができた人。」「実際に買った人。」を分けて見ることです。

相手を疑うためではありません。今、その人がどこにいるのかを、勝手に飛ばさないためです。

「欲しい人がいる」と「売れる」は別の確認

商品を作る前に確認したいことは、1つではありません。

テーマに興味がある人はいるか。
その悩みは、今すぐ解決したいものか。
その方法に、お金を払う理由があるか。

その価格で、ほかの選択肢より優先されるか。
買ったあと、実際に使えるか。

ここまで通って、ようやく商品としての需要が見えてきます。

だから、「10人に聞いたら、8人が欲しいと言ってくれました。」
は、良いスタートです。

でも、

「8人売れる予定です。」に変換してはいけません。

スタート地点を、ゴールテープとして使うと、そりゃ途中でコケます(笑)

商品を作る前に、小さく売ってみる

本当に需要を確かめたいなら、完成品を作る前に、小さく売ってみる方法があります。

先行募集。モニター募集。少人数のテスト開催。簡易版の商品。

最初から100点の商品を作るのではなく、「この内容を、この価格で、この日程なら買う人がいるか。」を確認する。

ここで申込みが入れば、「欲しい」が行動に変わった証拠になります。

入らなければ、商品が全部ダメとは限りません。
テーマはいいけど、価格が合っていないのかもしれない。
内容はいいけど、今すぐ必要ではないのかもしれない。
欲しい人ではなく、応援してくれる人に聞いていたのかもしれない。

販売して初めて見えるズレがあります。

だからテスト販売は、売上を作るためだけではありません。自分の期待と、相手の行動の差を測るためでもあるんです。

見込客は、ひとまとめにしない

以前のコラムで、見込客と顧客では、発信者に求めるものが違うという話を書きました。

新しく知った人は、「私にもできそう。」
「この人なら分かってくれそう。」を求めるかもしれない。

すでに買った顧客は、「自分にはない判断を示してほしい。」と思っているかもしれない。

今回の話も同じです。
一言で「見込客」と呼んでいても、ちょっと気になった人。
無料なら見たい人。いつか買いたい人。今なら買いたい人。
すでに比較を始めている人。

では、必要な情報も、次に取る行動も違います。

この違いを無視して、全員へいきなりアプリ登録や商品購入を求めると、まだ玄関にいる人へ「では寝室はこちらです」と案内するようなものです(笑)距離感が、まあまあ怖い。

関連する考え方は、こちらのコラムでも詳しく書いています。

「私も昔はダメでした」が、ブランドを壊すとき。見込客と顧客が聞きたいことは同じじゃない →

売上予定に入れていいのは、売れたあと

少し厳しく聞こえるかもしれませんが、「欲しいです。」「検討します。」
「たぶん申し込みます。」
は、売上予定ではありません。

相手を信用していないからではありません。
人は、気持ちが変わるからです。状況も変わる。優先順位も変わる。そして本人でさえ、未来の自分が何をするかを正確には分かりません。

だから、売上予定に入れるのは、申込みが入ったとき。

もっと正確に言えば、決済まで終わったときです。

それまでは、「反応があった。」
「興味を持つ人がいた。」
「次の検証へ進める。」くらいに置いておく。

このくらいの距離感のほうが、売れなかったときに相手を責めずに済みます。
自分の商品を全否定せずにも済みます。

僕は「期待」より「行動」を見るほうが、相手にやさしいと思う

「欲しいと言ったのに、買ってくれなかった。」と思うと、相手が約束を破ったように見えます。

でも、相手は購入を約束したわけではありません。
その瞬間の気持ちを伝えただけです。

だったら、その言葉を勝手に契約書へ変えないほうがいい。

僕はそう考えています。
相手の言葉を疑うのではなく、言葉がどの段階のものなのかを見る。そして、いきなり買わせようとせず、小さな行動を用意する。

興味がある人には、もう少し詳しい記事。
悩みを自覚した人には、診断や無料教材。
自分で解決しにくいと分かった人には、商品や相談。

こうやって段階をつなげれば、「欲しいと言ったのに買わない人。」ではなく、「まだ買う段階ではなかった人。」として見られるようになります。

商品の反応が良かったときほど、電卓を叩く前に。
その「欲しい」は、どこまでの欲しいなのか。

言葉の大きさではなく、次に起きた小さな行動を見てみてもいいかもしれません。

✦

P.S.

「欲しい」という反応が集まったら、次は売上を予測するより、相手が一歩だけ進める導線を用意する。

記事をもう一本読む。診断を受ける。無料教材を受け取る。
価格と内容を見る。

この小さな行動が重なると、「興味」と「購入」の間にあるズレが少しずつ見えるようになります。

とーる|猫好きの行動経済アナリスト

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