コラム#75マーケティング

「LINE導線を自動化します!」ってよく見かけるようになった。

どーもとーるです!

3年前、こういう肩書きの人はほとんどいませんでした。

「LINE構築代行」
「UTAGE構築サポート」

今はちょっと検索すると山ほど出てくる。

ツールが普及して、使える人が増えたのは自然な流れです。
それ自体は悪いことじゃない。

問題は、そこで必ずセットでついてくる言葉。

「導線設計ができます」
「顧客導線を整えます」

本当に?

正直に言います。

9割は「導線を設計できる人」じゃなくて、
「ツールを組める人」です。

「作れること」と、「設計できること」は、まったく別の話。
この違いに気づいている人が、まだ少なすぎる。

3つはまったく別物

混同している人が非常に多いので、一度しっかり整理します。

①フロー:処理・手順の流れ(概念)

「インスタを見る→プロフへ→リンクをタップ→LPへ→申し込み」

この「どういう順番で何が起きるか」の設計図が、フローです。

LINEの自動返信シナリオも、ステップメールの順番も、全部フロー。

処理の流れを図示したもの。概念の話ですね。

②動線:実際の人の動き(現象)

「来店したお客さんが実際にどう動いたか」の記録が、動線です。
英語だとムーブメント・ラインなどと言われたりします。

ショッピングモールで言えば、
入口から入って、どこを通って、どこで立ち止まったかの「実際の軌跡」。

フローは設計者が描くもの。動線は人が実際に描くもの。

設計通りに人が動くとは限らない。
だから動線は観察するものです。

③導線:人を動かすための設計(意図)

「人をここからここへ意図的に誘導する設計」が、導線です。
英語ではリード・ラインと呼ばれたりします。

スーパーで牛乳を奥に配置するのは、導線設計。
店内を歩かせて、途中で他の商品を目に入れさせる「意図」がある。

ディズニーランドの入口からシンデレラ城が見える設計も、導線です。
奥へ進みたくなる「意図的な仕掛け」がある。

まとめると、

フロー:「AからBへの順番」を設計する
動線:「人が実際にどう動いたか」を観察する
導線:「人をここに動かしたい」という意図で設計する

ってことですね。

「LINE導線自動化」のほとんどは、ただのフロー自動化

ここからが本題。

「LINE導線を自動化しました!」と言っている人の設計を見ると、ほぼ全員こういう内容です。

「友達追加→自動返信でプレゼント→2日後にセミナー案内→4日後に商品案内」

これ、フローです。
「A→B→C→Dの順番」を組んだだけ。

人をどう動かすか、どの心理に働きかけるか、どこで何を感じさせるか。
そこへの「意図」がない。

「LINEのステップ配信を設定すること」と、「導線を設計すること」は、まったく別の作業です。

ツールを使いこなすことと、人を動かすことは、イコールじゃない。

でも多くの人がこれを混同していて、
「フローを組めた=導線設計ができた」と思ってしまっている。

もう一つ、付け加えておきたいことがあります。

「導線設計ができます」と謳ってサービスを展開している場合、
相手が定義を正確に知っている人なら、
景表法上の「優良誤認」「有利誤認」として突っ込まれるリスクがあります。

「導線設計を提供する」と言いながら実態がフロー構築だけなら、
サービス内容について誤認させていることになりかねない。

言葉の定義を曖昧にしたまま使い続けることは、
知識のない人には通じても、知識のある人には信頼を失う原因になる。

「こちら目線」で組むか、「顧客目線」で組むか

もう少し具体的に説明します。

道路に例えると、わかりやすいです。

道路をただ「開通させること」「ここに料金所を置きます」と決めること。

それだけなら、導線設計とは言えません。ただのフローですよね。

本当の導線設計は、相手目線から発想します。

「このカーブ、迷いやすいから看板を設置しよう」
「長距離ドライブで疲れる区間だから、サービスエリアを作って休憩ポイントを用意しよう」
「直線が多くて速度超過が多発しそうだから、制限速度を下げよう」

これが、ユーザー目線の導線設計です。

「出来上がりは同じじゃないか」と思うかもしれません。

でも、目的と必要性が違えば、中身は変わってきます。

「道路建設にお金がかかったから、サービスエリアで回収しよう」という発想で作ったサービスエリアと、
「長距離で疲れるドライバーに休憩場所を提供したい」という発想で作ったサービスエリアは、
同じ施設でも設計の中身が全然違う。

前者は「こちら目線」、後者は「顧客目線」。

SNSビジネスに置き換えるとこうなります。

「登録してもらったLINEでどう回収するか」から考える
➔これがこちら目線のフロー設計。

「登録してくれた人が次に何を必要としているか」から逆算する
➔これが顧客目線の導線設計。

考え方の起点が違うだけで、出来上がるものの質はまったく変わってきます。

本物の導線設計に必要な3つの視点

じゃあ本物の導線設計とは何か。

行動経済学の視点で、シンプルに3つに整理します。

①出発点の把握(今、この人はどこにいるか)

設計する前に、相手の「今の状態」を正確に把握する必要があります。

自分をまったく知らない新規フォロワーと、
何度かコンテンツを見ている温かい人では、導線はまったく変わります。

フローを組む人がよく間違えるのが、
「全員を同じ入口から同じゴールに連れていこうとする」こと。

人はそれぞれ違う場所に立っている。
だから導線も人によって変わる。

②摩擦の除去(動きたくなる道を作る)

行動経済学では「摩擦」という概念があります。
“人が動こうとするときに発生する障壁のこと”です。

導線設計は、この摩擦を取り除く作業です。

「申し込みボタンを押すまでに3回クリックが必要」
「LINEに誘導しても何をすればいいかわからない」

こういう摩擦があると、どれだけ良いフローを組んでいても人は動きません。

“フロー”は道を作る。
“導線”は、その道を人が歩きたくなるように設計する。

ってことです。

③次の行動への意図(なぜここに誘導するのか)

導線設計の本質は「意図」です。

この人をここに連れてきたら、次にどんな行動を取ってほしいか。
そのためにどんな感情を先に作っておく必要があるか。

ただのフロー自動化には、この問いがない。
「ステップ配信を送った」で終わっている。

あなたの「導線」は、機能してる?

設計したのにLINEの成約率が上がらない。
自動化したのに売上に変化がない。

そういう悩みはあるあるです。
9割のケースで、答えは同じです。

「それはフローを組んだだけで、導線は設計されていません」

フローを組むことは、準備です。
導線を設計することが、本番です。

この違いがわかると、「自動化すれば売れる」という妄想から抜け出せます。

ツールではなく、人を理解することが、導線設計の出発点です。

追伸:

まぁ顧客理解と顧客心理が大事ってことです。

たいていこういうフロー、動線構築の方は、
目先の利益や「稼がせる!」ことが目的で、顧客(顧客の顧客)のことは考えていないケースが多いんです泣。

とーる|行動経済アナリスト