テクニックを語るほど、人は逃げていく。
どーも、とーるです!
今回はこちらのコラムの派生版です!
#53:【保存版】出していいノウハウ・ダメなノウハウの「完全分類マップ」
そのDM、開く前から「答え」は出ている
久しぶりに届いた、大学時代の友人からのLINE。
「元気?最近どうしてる?」という、なんてことのない挨拶。
普通なら「おー、久しぶり!」と返すところですが、なぜか指が止まる。
アイコンを凝視する。
そして、彼のSNSの近況をこっそりチェックしに行く。
「……あ、こいつ、最近プロフィールの肩書きが『自由な働き方コンサル』になってるな」 その瞬間、あなたの脳内ではアラートが鳴り響きます。
「これ、投資の勧誘か、オンラインサロンの勧誘だ!!」。
相手がまだ一言も「買ってください」と言っていない段階で、すでに 「あ、これ売られるやつだ」 と察知してしまいます。
「綺麗すぎるリール」というデジタルゴミの反乱
ここで、僕が知人友人に「最近のリールや動画広告ってどう思う?」と本音を聞いて回ったリアルな声を共有します。
返ってきた答えは、「ぶっちゃけ、うざい」。
まぁそうですよね、僕も興味のない広告は鬱陶しいです。
でもそれは「その情報に興味がないから」でもありますが、そもそもそういう「広告=スルー」の人が興味のある話だった場合は、ちゃんと手を止めてくれるのだろうか?
今やリールのクオリティは上がりすぎて、もはや映画の予告編のようです。
でも、一般ユーザーからすれば、その「高すぎるクオリティ」こそが「あ、これ広告(あるいは広告的な何か)だ」という強烈な拒絶サインになっています。
かつては「綺麗な映像」は憧れの対象でしたが、今は 「綺麗な映像」=「何かを売りつけようとする下心のパッケージ」 だと認識されています。
さらに、流れてくる広告の9割が「ビジネスパーソン向け」だったりしませんか?
「副業で稼ぐ」「自動化で自由」「起業の教科書」。
一般ユーザーが夕食の献立を考えたり、推しの動画を見て癒やされたいと思っている聖域(タイムライン)に、土足で「ビジネスの成功」を押し売りする。
これが「うざい」の正体です。
脳内防衛システム「説得知識モデル(PKM)」
なぜ僕たちは、相手の意図をこれほどまでに鋭く見抜いてしまうのか。
その謎を解く鍵が、マーケティング心理学の「 説得知識モデル 」です。
僕たちは誰かから働きかけを受けたとき、脳内にある「3つの引き出し」をフル回転させて、そのメッセージの真偽をジャッジしています。
この3つが重なり、すべてをクリアした内容だけ、人は「信じて動く」という意思決定をします。
① 説得知識:広告や営業の手口に関する知識「あ、これ希少性(限定感)で煽ってるな?」 ② トピック知識:その商品や情報自体に関する知識「そんなに簡単に稼げるわけないだろ」 ③ エージェント知識:発信者の意図や信頼性に関する知識「そもそも、この人信用できるの?」 現代において最も肥大化しているのが、この「 ①説得知識 」です。
数多の広告やセールスにさらされる中で、いわば「説得のパターン」を学習し尽くしてしまいました。
ここで面白い(そして恐ろしい)のが、「心理テクニック」や「行動経済学」という言葉そのものが、最強のPKM発動スイッチになっているという事実でもあります。
相手がテクニックを使って自分を動かそうとしていると分かった瞬間、脳は「自由を侵害された!」と判断し、猛烈な拒絶反応を示します。
実際に僕なんかは「協会認定の行動経済アナリスト」という肩書きはありますが、SNSや発信で 「SNSで使える心理テク10選!」なんてテク系はしたことがないです。
もちろん「専門家による心理テク!」ならクオリティによっては、いろいろとヒットするかもしれません。
ですが認知が広がればこの「説得知識」が付く。
つまり、認知されればされるほど効果がなくなる『認知拡大のパラドクス』になるからです。
海外のデ・インフルエンシング
海外、特に北米のSNSマーケティング界隈では、2025年後半から「De-influencing(デ・インフルエンシング)」という動きが加速しています。
これは、「これを買え」という発信ではなく、「これは買うな」「これは無駄だ」と真実を語る、あるいは「作り込まない日常(Lo-Fiコンテンツ)」の方が圧倒的に信頼されるという現象。
完璧な照明の下で語るより、移動中の車内でスマホ片手に語る動画の方が、成約率が高いというデータすらあります。
成功法則を教える前に、「なぜ自分はあの時1,000万円溶かしたのか」を淡々と語る。
「完璧なクオリティ」は、もはや「信頼」の敵なんです。
つまり、4,5年前の原点回帰だと思って、初心に戻って活用してみるのもいいかもしれませんね。
僕はすでにはじめています笑
とーる|行動経済アナリスト
